裳(も)
歴史物のマンガだったりドラマだったり映像画像媒体だとそれほど意識しないのだけど、文章で読んでいるときは風俗に疎いと理解しづらいことが多々あって、とくに装束は所作や日々の生活、当時の常識にも密接に関係しているので服飾史にはちょっとだけ興味がある。
最近古事記を読んでて伊耶那岐命が黄泉から帰還し穢れを祓うため禊を行うシーンで身に着けているものを順に脱ぎ捨ててゆくのだけど、まず杖を投げ捨て、帯を解き、次いで裳を…。……裳?
↓わたしの裳の認識
丸で囲んだ腰から下のひらひら(「なんて素敵にジャパネスク 人妻編」第五巻より)
???
名称を勘違いして覚えてたかな?とりあえずwikiで確認。
また、本来巻スカートの様にして着用していたが、後ろに長く引きずるようになったのは平安中期からである。
なるほど!伊耶那岐命が身につけていた裳はまだ巻スカート状のものだったのね。
さらにたまたま見つけた風俗博物館というサイトの服飾史古墳時代の項ではまんまその装束が再現されていた。
すごいなインターネット!ちょっと検索しただけで古代人(神)のイメージ画像が見つかるなんて!!
そしてそんなwikiのおかげで更なる疑問が。
鎌倉時代には裳の簡略化が進んでいった。宮中でも通常は五衣などの重ね袿に代えて上臈女房なら二衣、その他は薄衣といったものを羽織るのが一般化し、唐衣は天皇・東宮の御所では略さなかったものの、裳は使用しないことが増えた[3]。そして鎌倉後期には、着脱が容易なように腰で結ぶ小腰をゆるく結んで肩にかける、いわゆる掛帯(懸帯)式の裳が成立していたことが絵画史料から知られる(奈良国立博物館蔵普賢菩薩十羅刹女像・時代不同歌合絵巻ほか)。
マントみたいに羽織ってたってこと?裳を?すっげー変じゃね?
と思ったので挙げられている絵画資料を探してみたよー。
↓こういうことらしい
ま、前掛け…!!!想像をはるかに超えてましたw
(追記:よく見たらやっぱり背側に羽織ってるように見える…。ゆるく結んだ左右の小腰が重なって前掛けみたいに見えるのかなあ。。)
ほんとおもしろいなー。
なんて素敵にジャパネスク 人妻編 5 (花とゆめコミックス)
- 作者: 山内直実,氷室冴子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: Kindle版
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最近は連載が終了したコミックはすぐ買えなくなってしまうのね。文庫版は文字が小さくて読み難いし、電子版も何度も読み返すには不向きだし。お気に入りはやはし通常のコミック版で手許に置いておきたい。
いろいろ口コミを比べて選んだのはコレ。平易な文体で書かれていてとても読みやすいです。レビューでも指摘されている通り解説が別註でなく単語のすぐ後にかっこで挿入されているのもわかりやすくてよい。難読人名はルビのほうがよかったな。なんで古事記読みたくなったかというと銀金読み返したからなのだ。狭穂彦王の叛乱を読みたくて。
古事記をベースにした古代ファンタジー。「真秀の章」全11巻が刊行。続いて書かれるはずだった「佐保彦の章」はまぼろしに…。でも序章である「真秀の章」だけでもむっちゃおもしろいの。だからこそ未だに続きが読みたかったと思ってしまうのだよねえ。